山本知佳
精神疾患を理由に離職する小中高校の教員が過去最多を更新したことが、文部科学省が28日に発表した「学校教員統計調査」の中間報告でわかった。精神疾患を理由に休職する教員も増えており、教員の働き方改革が急務となっている状況が改めて浮かんだ。
調査は3年ごとに実施。離職者については2021年度中の人数を、全国の国公私立の小中高校などに聞いた。
定年者を除いた離職者のうち、精神疾患が理由で離職したのは、小学校が7・8%にあたる583人(前回比117人増)、中学校が6・5%にあたる288人(同36人増)、高校が3・2%にあたる181人(同27人増)。いずれも、09年度の離職者から精神疾患を理由とするケースを調べるようになって以降、数も割合も最多だった。
昨年末に結果が公表された文科省の別の調査では、21年度に精神疾患で連続1カ月以上の病気休暇を取るか病気休職した公立学校教員は、全国で1万944人(全体の1・19%)と、初めて1万人を超えた。長時間労働や、現場に人手が足らず、業務量が一部に偏っていることなどが原因と指摘されている。離職者や休職者が増えて人手不足が加速し、子どもの学びに影響が出ることも懸念されている。
文科相の諮問機関の中央教育審議会では、25年通常国会での制度改正を視野に、公立学校教員の働き方改革などについての議論が始まっている。(山本知佳)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル